2015年7月24日 午前7時のNHKニュースから
トランス脂肪酸の研究が専門の富山短期大学教授、竹内弘幸先生解説
トランス脂肪酸とは、液状の油を加工して固形にする過程で生成されるもので、この固形の油がマーガリンやショートニングになり、保存性が良く、経済的で食感が良いなどで、広く食品に使用されている。
アメリカでは、10年前からその摂りすぎが問題視されていて、2006年、トランス脂肪酸の表示を義務化、WHOでは総摂取量を一日の総摂取量の1%以下にする指針がだされている。消費者もトランス脂肪酸を避けるようになり、トランス脂肪酸を含まない商品開発も行われてきたが、「なかなか全ての商品を入れ替える事はできない。」とスーパーの店長の言葉。
今回アメリカではこの固形油脂を規制することになった。なぜここで規制することになったか、それは、心臓病との因果関係、欧米の研究ではトランス脂肪酸が悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化の可能性を高めることが分かっている。タフツ大学アリス・リクスティーン教授はトランス脂肪酸を規制する事で、心臓病のリスクを下げることができると発表していました。
日本では、主食がお米であるため、トランス脂肪酸の摂取量が少ないと思われているため表示義務は無く、メーカーの任意となっている。ただ、マーガリンやショートニング、ビスケットなどに含有量の高いものもあり、日常的に摂っていると1%以上になっている場合もあるので注意が必要。また、脂肪摂取量の多い人はトランス脂肪酸の摂取量も多くなっていることがわかっている。
(参考)2015、6、19[ワシントン共同]
米食品医薬品局(FDA)は16日、食用油などに含まれ、肥満や心臓病との関連が指摘されるトランス脂肪酸を2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表した。
FDAは2013年に廃止方針を示して科学的妥当性を検討してきたが、最終的に食品に使う上で「安全性は認められない」と結論づけた。
食品業界は3年間で代わりの添加物を使うなどの対応が求められる。
FDAは「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐことができる」とみている。
天然にできるトランス脂肪酸・・牛や羊などの反芻動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に天然に微量のトランス脂肪酸が含まれています。
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